YAS Person | Interview

  • TOP
  • YAS Person
  • 03 板金・塗装の頂点に挑んだ男たち
03 板金・塗装の頂点に挑んだ男たち

いつも頭を巡らせ、一台一台の調色を経験値として積んでいくことで得られる「絶対色感」

BPグランプリ 塗装部門で見事に優勝を 勝ち取った岡平拓也
BPグランプリ 塗装部門で見事に優勝を 勝ち取った岡平拓也
賞状:岡平拓也

岡平:一方、塗装部門の決勝戦の課題は国産車のシルバーメタリックのパネルのボカシ塗装(色を徐々に薄くし色味の差を判らなくするテクニック)。調色の精度やボカシの技術がおもな審査ポイントとなりました。じつは事前に会場の温度が20℃くらいだと聞いていたので20℃に合わせた材料を持っていったんです。しかしいざ会場に行ってみたら汗だくになるほどの暑さ。気温に対してべストな材料を持ち合わせていなかったので少し戸惑いましたが、なんとか対策を練って実技試験に挑みました。そんな予想外なできごとはありましたが、実力は十分に発揮できました。時間的にも余裕がありましたし、これで負けたらもう仕方ない、という感じでした。

賞状:岡井良太

岡井:いつもと違う環境の中でしたが、岡平君は非常に冷静に見えました。色の確認~調合~微調整~着色にいたるまでのプロセスを頭と感覚でしっかり捉えながら、作業に反映。私から見ても最高のパフォーマンスでした。結果、見事優勝を勝ち獲りましたから、さすがだと思いましたね。

岡平:プレッシャーになると思って、入賞のことは考えないようにしていたんです。でも、表彰式の時点では1位~3位のどれかには入っているだろうという自信がありました。1位で名前が呼ばれた時には本当にうれしかったですね。「ヤッター!」と叫びながら、応援してくださったみんなに向かってガッツポーズ。喜びを分かち合いました。

BPグランプリ 2013 各部門受賞者
BPグランプリ 2013 各部門受賞者

浅野:岡平君の専門である「調色」というのは、塗装のできばえを大きく左右するもっとも重要な工程。今回の競技の肝でもありました。岡平君は絶対音感ならぬ「絶対色感」の持ち主とも呼ばれるほど、調色においては熟練の域。調色の工程でスムーズかつ確実に作業できたことが、結果につながったのではないでしょうか。

岡平:基本的に調色はデータの世界なので、数学や化学と一緒。すべては理論で説明できます。日々のんべんだらりと色を合わせるのではなく、「この色はどうやってできるんだろう」「何色が足りなくて何色が多いんだろう」と、いつも頭を巡らせ、一台一台つくりあげた色を自分の経験値として積み重ねていくことを大切にしています 。

若手からベテランまでがフラットに働く環境
互いに知識・技術を惜しみなく共有

岡井:私たちがBPグランプリでいい結果を残すことができたのは、ひとえに、BPセンター茨木/岡山という恵まれた環境があったからこそだと感じています。一般的に、板金・塗装の業界には厳しい徒弟制度のようなものがあって、第一線で活躍するようになるまでには何十年とかかる場合も少なくありません。一方、BPセンター茨木 /岡山は年代に捉われないフラットな環境。若手であっても難しい仕事にどんどんチャレンジすることができます。昔ながらの技術や手法、はては職人魂までを諸先輩方に教えていただきながら、新しい技術や知識はみんなで吸収して、工場全体の技術を向上させているのです。私はこれからもこの恵まれた環境を大いに活用して、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいと思います。

塗装ブース前にて
塗装ブース前にて

浅野:BPセンター茨木には20代から60代のベテランまで、幅広い年代のメカニックが在籍しますが、各年代のメカニックたちが互いに知識・技術を惜しみなく共有し合っています。さらに教育、設備、情報がつねに高いレベルで存在していて、いつでも技術・知識を向上させることができます。今後はこのようなメカニックにとってとても幸運な環境でさらに実力を磨き、板金の道をさらに深めていきたいと思います。

岡平:二人がいうように、BPセンター茨木の魅力は結局のところ、「人」にあると思います。働くみんなが互いに支え合い、信頼し合っています。いいたいことをいい合えますし、結束が非常に強いことを思います。これからの目標は、BPグランプリで学んだたくさんのことを上司、同僚、後輩にどんどん伝えていくこと。第2回以降もBPセンター茨木から優勝者が続出するようなハイレベルな工場にすること。そして、お客様に対して「最良」の仕事をどこまでも追求していくことです。

BPセンター茨木
BPセンター茨木

平成25年2月19日(火)のABC朝日放送の報道・情報番組の『キャスト-CAST-』
特集『自動車修理の技 モノ作り職人たちの戦い』にBPセンター茨木の岡平さんと浅野さんが紹介されました。

※取材当初と役職、所属部署が変わっている場合があります。

Page Top