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22 コンチネンタルタイヤ・ジャパン株式会社 タイヤの外販と拡販における協力関係と最新のタイヤ事情について 後編
コンチネンタルタイヤ・ジャパン 浅山 文徳 メアリー・リー ヤナセオートシステムズ 平本 光洋 松沢 芳樹
※撮影時のみマスクを外しております

■オールシーズンタイヤについて、教えてください。

コンチネンタルタイヤ・ジャパン メアリー・リー

メアリー:コンチネンタルタイヤのオールシーズンタイヤ「AllSeasonContactTM」は、四季を通じて気温や突然の天候の変化に対応でき、いかなる路面条件下でも高い走行性と安全性を発揮することを目標に開発されました。積雪路や冬の冷たいウェット路での確かなグリップ性能、あらゆる気候条件下の走行で発揮される優れたハンドリング性能とブレーキング性能、そして、高い燃費性能を確保しており、海外の自動車メディアが実施する性能評価テストでもベストタイヤに数多く選ばれています。運転条件は一年を通して変化するため、タイヤを買い替える際には、サマータイヤとスタッドレスタイヤを交互に履くことが良いのか、あるいはオールシーズンタイヤで良いのか、まずはご自分が住んでいる地域の気候を知ることが大切です。

平本:オールシーズンタイヤは、今はディーラー向け、すなわちヤナセ拠点向けに販売していて、まずはディーラーに入ってくるお客さまにライフスタイルやクルマの使用状況をお聞きしながらご提案しているところです。これまではお客さまに夏はサマータイヤ、冬はスタッドレスタイヤをおすすめしていましたが、やはりタイヤの置き場がなく、交換するのが面倒というお客さまや、市街地での運転がメインといったお客さまにはオールシーズンタイヤも選択肢のひとつになると考えています。ここ最近は、ゲリラ豪雨や短時間でドカッと降る雪もあるので、そういうときに備え、路面状況が急変しても家まで帰れるタイヤとして、お客さまにオールシーズンタイヤをご提案しています。
ヤナセはお客さまに対して、クルマのある人生をご提案しています。お乗りになるクルマのポテンシャルを活かし、豊かなカーライフを送っていただくためには、どのようなタイヤをチョイスしていただくべきか?を考え、その方にとってのベストなご提案を常に心がけています。そのスキームの中にオールシーズンタイヤを組み入れていくこと、まずはそこからだと思っています。ゆくゆくはオールシーズンタイヤの外販にも力を入れていきたいです。2021年9月からコンチネンタルタイヤのオールシーズンタイヤを独占的に販売スタートし、自動車関連業の皆さんから「どうですか?」と聞かれるので、気になっているようです。

■タイヤの重要性については、どのようにお考えですか?

メアリー:タイヤは、クルマと路面が接する唯一の保安部品で、タイヤ1本あたり、わずかハガキ一枚分の大きさで車体を支えていて、電気自動車やハイブリッドシステムを搭載した大型でパワフルな乗用車やSUVは、従来の自動車に比べて圧倒的に重くなっていきます。そこでコンチネンタルタイヤは、新しいロードインデックスコードの「HL(ハイヤーロード)」を採用した乗用車用タイヤを開発しました。このHLタイヤの最大負荷能力は245/40R19を例にとると、従来のXL規格のLI(ロードインデックス=荷重指数)と比べて約10%アップしているので、この新しいHLコードのタイヤに対するOEタイヤからの需要が高まり、今後、タイヤはデジタル技術を通して情報とつながり、さまざまな解決策を提供する重要な役割を担っていくでしょう。

松沢:そういえば、コンチネンタルタイヤは路面とのコンタクトを大切にしているので、製品名にみんなコンタクトが入っていますよね。

浅山:トレッドやコンパウンドなどをトータルで考えて“コンタクト”を大事にしています。例えば、トレッドのブロックの角を落とすと、ゴムがよれたときに接地圧が変わらずに均一にキープできたり、コンパウンドは、普段の形状を維持して低燃費で走れるようにしたりしています。しかし、いざグリップ力が必要という状況になったときには、路面にピタッと密着するような柔軟性があり、しっかり接地することが求められるので、そういった状況にも応えられるようなコンパウンドになっています。

コンチネンタルタイヤ・ジャパン 浅山 文徳

■オススメのタイヤについて、教えてください。

メアリー:コンチネンタルタイヤは最初にドイツで発表され、新車に装着された後、日本に入ってきて需要が本格化するため、日本での販売計画は常に変化しています。ユーザーが住む地域や環境によって求められる性能が異なるので、それに最適なもの、つまり、すべてのユーザーのニーズに応えられるタイヤをラインアップしているため、すべてのタイヤがオススメですが、マーケットをよく知っているヤナセさんが良いと思ってくださったExtremeContactTM DWS06 PLUSは我々も推奨しています。

浅山:私としても、ExtremeContactTM DWS06 PLUSが推奨タイヤで、ヨーロッパから火が点いたオールシーズンタイヤも同様です。でも、やっぱり僕も全部オススメです。

ヤナセオートシステムズ 平本 光洋

平本:タイヤを売る立場としては、多くのメーカーの様々な種類のタイヤについてすべてを把握し、その性能や特徴を理解することは非常に難しいです。そのなかで私どもが自信をもってお勧めできる商品をコンチネンタルタイヤは数多くラインアップしています。技術や機能が短いサイクルで進化する中で、私どもも商品に対する知識を常にアップデートし、ディーラービジネスはもとより外販市場においても、コンチネンタルタイヤのスペシャリストであり続けたいと考えています。

浅山:(今回の企画を通して)ヤナセさんの歴史や我々との関係を改めて知ることで、ユーザーに対して顧客満足度を高める、いいものを提供して満足してもらうコンセプトに対して、我々もヤナセさんに合うサービス、製品を提供しないといけない、と思いました。我々も拡販するにあたって、ヤナセさんの協力が不可欠です。

■自動運転や電動化が進む中、自動車の枠を超えて「モビリティ」というコンセプトで、自動車部品のサプライヤーとして、どう考えていますか?

メアリー:何世紀にもわたって、モビリティは人間にとって最も重要なニーズのひとつでした。デジタル化は、革新的なモビリティのコンセプトやアイデアを実現するために、まったく新しい可能性をもたらします。明日のモビリティは、コネクテッド、インディビジュアル、フレキシブル、サスティナブルです。私たちはすでに今日、ユーザーにスマートなソリューションを提供しており、将来的にも個人のモビリティを保証する革新的なサービスを創造しています。私たちの最大の目標は、交通をより効率的にすること、交通をより安全にすること、環境を守ること、そして、快適でエキサイティングなモビリティを創造することです。ソフトウェアやバックエンドソリューション、プログラミングインターフェース、必要なハードウェア、さらにはネットワークモビリティのための完全なソリューションまで、ということです。コンチネンタルタイヤは、どのようなシステムにも統合できる柔軟性のあるソリューションを開発しています。

浅山:自動運転や電動化のニーズに対応する未来のモビリティのためのソリューションとしてタイヤに内蔵されたセンサーを利用してトレッドの深さと温度を測定し、タイヤの損傷をドライバーに警告するという導電性ゴムによる伝送技術”ContiSense(コンチセンス)“とタイヤの空気圧とリム幅を調整し、路面条件に応じた設置面積を実現する”ContiAdapt(コンチアダプト)”の2つの新たな技術コンセプトを2017年のフランクフルト・モーターショーと東京モーターショーで最新のタイヤ調査結果とともに発表しました。

メアリー:その発展版として、2019年のフランクフルト・モーターショーで発表された包括的な技術システム「Conti C.A.R.E.」があります。これはタイヤの構造内に組み込まれたセンサーが特徴で、そのセンサーが、トレッドの溝の深さや損傷の可能性、タイヤの温度と空気圧に関するデータを生成し、継続的に評価します。この監視システムが、タイヤの状況に関する情報をContiConnect Liveに送信し、車両管理者がモビリティの管理を効率的に行えるようにします。端的に説明すると、タイヤの状況をクラウドに集めて管理する技術で、それは今後の電気自動車やカーシェアにマッチする技術であり、商用車では、すでに実用段階にきています。

■今後の展望について、教えてください。

メアリー:例えば、アメリカなどでは広大な大陸を長距離で走るためオールシーズン性能や耐摩耗性、欧州では高速性能が重視されますが、日本をはじめとするアジアのユーザーは、静粛性、乗り心地、燃費性能、ロングライフなどを重視します。ヤナセさんは「クルマはつくらない。クルマのある人生をつくっている。」というコーポレートスローガンを掲げています。コンチネンタルタイヤも、タイヤだけではなく、さまざまな部品も開発していて、単なる製品を提供しているだけではなく、モビリティ・ソリューションも提供しているので、我々の精神もヤナセさんと同じだと思っています。両社は、お互いに長い歴史があります。その一方で、マーケットやお客さまの要求は常に変化しているので、ソリューションも常に変化しています。常に開発することによって、タイヤに求められる性能をその地域に合わせることができます。

松沢:現在、ヤナセの拠点に対して、クルマメーカーの装着基準をクリアしたOEタイヤをメインで販売しています。外販では、新車装着タイヤはもちろんのこと、装着されたユーザーからの満足度が高い市販用タイヤで、北米での評価が特に高いExtremeContactTM DWS06シリ-ズや、日本を含めたアジア地域向けに開発されたタイヤであるMaxContact/UltraContact/ComfortContactシリーズの積極的な取り扱いをアピールしています。今後もユーザーが求める最適のタイヤを提供していきます。

まとめ
コンチネンタルタイヤは乗用車用のみならず、自転車用およびモ-タ-サイクル用の高性能タイヤもラインナップしている。今回、どのようなバックグラウンドとポリシーで製品をリリースしているのかを窺い知ることができた。欧州自動車雑誌の性能テストで高く評価されているオールシーズンタイヤは、いかなる路面条件下でも高い走行性と安全性を発揮してくれるだろう。AllSeasonContactTMならではの高水準の低燃費性は、環境への負荷を軽減するだけでなくコスト意識の高いドライバーにも最適なので、これからのトレンドになるはずだ。

ヤナセオートシステムズ 松沢 芳樹
コンチネンタルタイヤ・ジャパン株式会社
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