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05 板金・塗装の頂点に挑んだ男たち

若手が秘めるポテンシャルを引き出し
入社から3年の間に高度な技術を叩き込む

BPセンター茨木 板金チーフメカニック 静 憲一
BPセンター茨木
板金チーフメカニック
静 憲一

静:壊れたクルマを直すこと=創造力、想像力が必要不可欠。元通りの形状をイメージ(想像)して、それをクリエイト(創造)できないことには始まらないですよね。ですから手取り足取り教えるのではなく、とにかく自分で悩んで考えて実践してやってみる事が大事だと考えます。遠回りするか、近道をするかという問題については、場数や経験を積むことによって解決できます。台数を重ねるごとにおのずと「こうしたほうが早いのでは」と考えるようになって、作業の効率化をはかるようになりますから。

岡本:今の若手スタッフの傾向をみていると、口でいくら説明してもなかなか理解しないけれど、自分で触って学んで、いったん理解すると、そこからの躍進がすごい。どんどん自分で勉強して、とことん追求していきます。それに仕事を任せると使命感に燃えるタイプの人材が多いような気がします。やはり若いスタッフたちには底知れぬパワーを秘めていることを感じますね。

森:そのような経緯もあり、BPセンター茨木では、入社3年あるいは5年でこれまでのベテランと同等あるいはそれ以上の能力を発揮してもらえる人材に育てることをひとつの目標に掲げています。これは私たちにとってひとつの実験でもあります。なぜならこれが成功事例となれば、全国のBPセンターの指標にもなり得るからです。もちろん若い=経験が浅いのは否めませんから、至難の業かもしれませんが私たちは若者のもつポテンシャルを信じて日々教育に取り組んでいます。BPグランプリで活躍した岡平、浅野も入社5年目。今回、彼らがBPグランプリで優秀な成績をおさめることができたことで、この実験ともいえるBPセンター茨木の教育の成果が実証できたのではないかと思っています。

BPセンター茨木 工場内風景
BPセンター茨木
工場内風景
BPセンター茨木 工場内風景
BPセンター茨木
工場内風景

静:彼らはとても向上心があり努力家ですよ。浅野はBPグランプリが終わった後も変わらず、毎朝早く来てトレーニングを積んでいます。優勝した岡平も周囲からさまざまな激励をもらい、さらに気が引き締まったようで日々勢いよく研鑽を積んでいます。二人とも成長が目に見えるので、本当に頼もしいです。

森:BPセンター茨木からは彼ら以外にも何人か出場しましたが、BPグランプリはそれぞれにとって成長のいい機会になったと思います。技能を高めていくには競争心もある程度必要。入賞した者も、悔しい思いをした者も、今回の経験の中から生まれてくるものは大きいと思うんですよ。BPセンター茨木では来年に向けて、2連覇することはもちろん、多くの入賞者を輩出することを目指します。

心技体の精神を尊重
つねに基本に立ち返り、謙虚さを忘れない

静:BPセンター茨木の工場は10年の築年数が経っており、決して新しい建物ではありません。しかし、誰がいつ訪ねてきていただいてもクリーンなイメージをいただいていただけると思います。作業場には修理車両と必要な材料と工具以外、ゴミひとつ転がっていない状況が見られると思います。また、スタッフは明るい笑顔での挨拶を徹底。互いに声をかけやすい雰囲気づくりをしています。スタッフ同士はとても仲がいいですよ。笑いが絶えない職場です。困ったことがあれば何でも相談し合える環境がありますし、チームワークもとてもいい。互いを思いやる気持ちはどこにも負けないと自負しています。

作業終了後の車両群
作業終了後の車両群

岡本:今の板金・塗装業界に何が足りないのか。突き詰めて考えたとき、私たちは基本に立ち返りました。たとえば、「人に会ったら明るく挨拶をすること」整理整頓し、清潔に保つこと」相手のことを思いやる心をもつこと」ということです。多くの人が板金・塗装工場に対して、「職人さんは無口で愛想がない」「工場は汚い、工具が散らかっている」「職人気質で物言いが頑固」というイメージを思い浮かべるといいますが、それをよしとする文化では決してよくない。私たちは世の中が抱いているネガティブイメージを一新し、明るい板金・塗装の未来をつくっていきたいと考えました。

BPセンター茨木 工場長 森 裕之
BPセンター茨木
工場長
森 裕之

森:ひとつひとつのネガティブイメージをポジティブに変えていくために、私たちはまず、毎日繰り返される日常の中で原点に立ち返り、人としての基本的な部分を成長させることに注力しました。その根っこの部分にあるのが「心技体」の精神。みなさんもよく耳にする言葉だと思いますが、これは武道の世界で、心・技・体が三位一体となってはじめていい結果が生み出せるという考え方です。板金・塗装の仕事においても同様に、まずベースとなるのは「心」。何のための仕事か、誰のための仕事か窶披€薄レ標を明確にもち、その上で覚悟をもってミッションに対して全力を注ぐ。そのような清らかな心でコツコツと切磋琢磨することにより、高度な「技」を習得することができます。そして継続的に技を磨くためには、健やかな身体はもちろん、挨拶や感謝などの基本的なマナーの「体」を鍛えることにあるのです。そのような考えのもと、BPセンター茨木では礼儀、作法、所作をとても重要視しています。つねに初心と謙虚さを忘れず、技芸・技術・技能を磨いています。

静:また、BPセンター茨木では従業員満足度(ES)に力を入れています。というのも、従業員満足が実現しなければ、顧客満足(CS)を実現することはできないと考えるからです。楽しく仕事をした品質と、不満を持ちながら施した品質では仕上がりに大きな差が出ます。それは心技体でいう「心」の部分であり、結果として「技」に出てくるわけです。満足のいく職場環境で一人ひとりがイキイキしていれば、必ずお客様にも満足していただける仕事ができるはず。

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