YAS Person | Interview

13 YANASE The Bodyshop Network 加盟工場技術大会2016 板金・塗装部門 優勝工場訪問
株式会社新和自動車

YANASE The Bodyshop Network加盟工場技術大会2016
板金部門 第一位

株式会社新和自動車(広島県東広島市)
YANASE The Bodyshop Network 東広島
代表取締役社長 菊地 等 様
メカニック 藤田 祐也 様

創業から40年、約60名の社員とともに、車の修理・メンテナンスを手がける新和自動車。広々とした工場内には7台の塗装ブースをはじめ、充実した設備を完備。さまざまな技術大会で好成績を残すメカニックたちの高い技術力も同社の強みだ。「YANASE The Bodyshop Network加盟工場技術大会2016」塗装部門で第1位に輝いた藤田祐也さんと社長の菊地 等さんに、同社の塗装業務に対する取り組みや姿勢、大会で優勝するまでに至る経緯を伺った。

代表取締役社長 菊地等 様 (右) メカニック 藤田祐也 様 (左)
代表取締役社長 菊地等 様 (右)
メカニック 藤田祐也 様 (左)

「YANASE The Bodyshop Network加盟工場技術大会2016」塗装部門での優勝おめでとうございます。優勝してから変化はありましたか?

技術大会2016で1位獲得後の変化について語る藤田様
技術大会2016で1位獲得後の変化について語る藤田様

藤田:ありがとうございます。そうですね、会社の前に「YANASE The Bodyshop Network加盟工場技術大会2016 優勝 藤田祐也」という垂れ幕をドーンと掲げていただきまして…(笑)。この辺りは僕の地元なので、地元の同級生がそれを見て電話をかかけてきたり、家族がそれを見て喜んでいたりということはありました。嬉しいような、恥ずかしいような気持ちですけれど、それだけ大きく私の名前が出されてしまったので、これまで以上にしっかりした仕事をしなければと、気持ちが引き締まりましたね。

菊地: 自動車修理の仕事っていうのは、縁の下の力持ちという部分が大きいですよね。いったいどんなことをやっているのか、世間様には伝わりにくい。たとえば商品があってそれがヒットしたりすれば「あそこの人達はすごいらしいね」と、わかりやすいですけれども、私たちの場合は、質のいい仕事を提供しても、なかなか目に見えてわかるものではないですから。せっかく今回のような技術大会を用意してもらえて、そこでうちの社員が優秀な成績を収めてくれましたから、それはみんなに自慢できること。地域の人達にも、新和自動車がどんな仕事をしているのか、少しでもご理解いただけるといいな、という思いがあり、派手に垂れ幕を出しました。

藤田様の表彰状

藤田:私たちの仕事は裏方で、評価が難しい仕事なので、こういう機会は本当にありがたいと思いました。

新和自動車さんでは社員様がいろいろな大会に出場されていますね。菊地社長ご自身も以前に技術大会で優秀な成績を収めていらっしゃいますが、大会に出ることで社員様たちの技術や意識は上がりますか?

菊地:はい。私自身、技能オリンピックに出場させていただいた経験があって、その時にいろいろと悔しい思いだったりとか、それによって成長させてもらった部分があるものですから、社員たちにもこういう経験はしてみるのもいいんじゃないかと思って、機会があれば声をかけるようにしています。普段の仕事をやっているだけだと自分の技術がどのレベルなのかということを確かめる機会はなかなかないもの。優秀な成績を残すことができればそれは自信につながりますし、予選で敗退したら悔しい思いをしてまた伸びるんです。結果はどうあれ、自分たちの仕事を違う角度から見られるようになるので、成長につながると思いますね。

藤田さんの普段の業務についてお聞かせいただけますか?

藤田: 新和自動車の塗装チームはみんな一通りの仕事はできるんですが、分業制で、各自担当を持っています。私は調色担当で、私が次から次へと色を作って、次の塗る担当に渡すというようなフローです。

普段の仕事は、調色担当という藤田様
普段の仕事は、調色担当という藤田様

菊地: 以前は車両ごとに担当を設けて、調色から塗るところまで一人の技術者が行っていたんですが、効率化を図るために数年前から分業制にしました。塗装の作業の中で、もっともポイントとなるのは「乾燥」で、十分な時間とクリーンな環境を必要とします。そこで新和自動車には、7台の塗装ブースを用意しています。これはこの規模の工場ではなかなかない台数だと思います。塗装ブースが2台、3台だとそこの空きを待つだけで時間をロスしますが、うちには7台がありますからどんどん台数を入れることができるんです。そして、それには乾燥に至るまでの工程も短縮しなければいけない、ということで、分業化することにしたんです。

藤田: 私は新卒から入社しているのでよその環境はよくわからないんですけど、同業の人に話すと、塗装ブースが7台もあるというのは贅沢な環境だと言われますね。こういう環境で仕事をさせていただいているのはとてもありがたいことです。

菊地:彼の担当する「調色」というのはある程度の勘と経験を必要とします。色の調整はもちろんのこと、どうすれば早く乾くか、という手順も考えなければならない。また、色の調整では補色を使って色を消したりしますけれども、いたずらに補色を足してしまったらもう取り返しつかないことになる。調色の工程というのはほんとうに頭を使うんですよね。いろいろな作業をしながら調色をするよりも、一人の担当者をつけて集中させたほうが質、スピードともに効率化できることもあります。藤田くんはとても頭がよく、感覚も鋭いので、調色に向いていると思いますね。

11月6日の大会当日までにどのような準備をしましたか?

技術大会2016の塗装部門で実技競技中の藤田様
技術大会2016の塗装部門で実技競技中の藤田様

藤田:塗装部門の課題は、Volkswagen Golfをモデル車両に、課題となる色見本が与えられて、調色してフェンダーに塗装する競技でした。その課題は事前に与えられていて、ターゲットにする色は当日に発表されました。ですから、ある程度、どんな色が出題されるかなという予測のもとに、サンプルパネルをいくつか作っていきました。それを比べながら作業しようと思って。でもその予測が見事に外れまして(笑)。当日はかなり焦りましたね。

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