YAS Person | Interview

  • TOP
  • YAS Person
  • 17 EMGルブリカンツ合同会社(前編)
17 EMGルブリカンツ合同会社(前編)

自動車メーカーが設計した車本来の性能回復/維持を目指し、輸入車パーツやアクセサリーの取り扱い、リビルト・レストアなど幅広い分野で高品質なサービスを提供するYAS(ヤナセオートシステムズ)。内燃機関エンジンの血液ともいえるエンジンオイルの分野では、Mobil™オイルを採用し、ヤナセアプルーブドオイルも作り上げるほど親密な関係となっている。今回はMobil™オイルの販売元であるEMGルブリカンツ合同会社の臼井粛郎氏と、YASの大塚和也氏に、両社がともに歩んできた道、そしてこれから続く未来の話を伺うことにした。

■ヤナセとMobil™オイルの生い立ち
ヤナセ、Mobil™とも100年を超える歴史を持つブランドですが、これまで、そして現在の繋がりを教えてください。

大塚:私は外販部門を担当しており、一般の整備工場さんや板金工場さんなどに販売する立ち位置なのですが、かつてMobil™オイルは新車のメルセデス・ベンツにも入っているエンジンオイルとして使われており、それが縁となってヤナセディーラーでもMobil™オイルが使われていたというのが、私が入社する以前から続いてきたことでした。それ以前の話となると社史などに書いてあることで、1950年にヤナセとMobil™が代理店契約締結とあるので、両社のつながりは70年近い歴史となります。

ヤナセオートシステムズ 大塚 和也
EMGルブリカンツ 臼井 粛郎

臼井:最初にヤナセさんとMobil™がビジネスで繋がったのは、オイルというよりも燃料、SS(サービスステーション)、つまりガソリンスタンドの設置からスタートしています。ヤナセさん本社のある芝浦にMobil™のガソリンスタンドを建て、そこで取り扱っている潤滑油をヤナセさんでのベンツの整備においても使用していただいていたということになります。ある時期には、Mobil™オイルのキャンペーンにて芝浦SSが全国No.1になったこともありました。

大塚:ちょっと話は飛んでしまいますが、Mobil 1™の歴史や印象でいえば、私が小さいころMobil 1™のテレビコマーシャルが流れていて、強烈なインパクトを持っていました。あのコマーシャル(バナナで釘を打てるような極寒の環境でも、Mobil 1™が使用できることをアピールしたCM)によって、一般的にも認知度は高くなっていたので、誰でも知っているオイルブランドでしたし、私が入社した時にもヤナセのオイルは「あのMobil 1™か」とすぐに頭に商品が浮かんだことを覚えています。

ヤナセオートシステムズ 大塚 和也
EMGルブリカンツ 臼井 粛郎

臼井:あのコマーシャルは80年代に放送されていたのですが、それより以前にもそして現在までも、オイルメーカーがあのようなコマーシャルを作っていませんし、その結果、日本でも有名なオイルブランドとなりました。
そして90年代の後半になると、SS以外でもMobil 1™の販路が広がっていき、カー用品店であったりカーディーラーなどにおいて販売が開始されていきました。
その中で2013年には、Mobil™オイルの缶にヤナセのマークがついた、ヤナセ限定の『Mobil Super™ 3000 X2 5W-40(YANASE)』および『Mobil Super™ 3000 XE 5W-30(YANASE)』が誕生しました。日本においてMobil™のCo-Brand(ダブルチョップ)というのは初の試みでしたし、世界的に見てもカーディーラーとのCo-Brandの商品は非常に珍しいことかと思います。

大塚:ヤナセアプルーブドオイルの登場は、販売している我々にとっても衝撃的な出来事でした。ちょうどその頃は、ヤナセオートシステムズとしてヤナセ以外の整備工場などにも販路を拡大していこうと進めている最中でした。そこに、そもそもメルセデス・ベンツ承認オイルとしてMobil™オイルが使われていたという信頼性があるうえに、ヤナセのロゴマークが入った専用オイルが登場したことは強力な販売アイテムとなったのです。さらにはオイルを定期的に安定した供給をしてもらえるのは、パートナーシップを組んでいる最大のメリットだと思います。それに両社はとても近い間柄ですので、全国にあるエリアセンターのサービススタッフやヤナセディーラーに向けた勉強会や商品説明会なども協力していただきながら開催できています。オイルのトップブランドとパートナーとなれているのはとても心強いことであり、それによって各自の販売意欲も沸いてくるものとなっています。

オイル

Mobil™オイルの性能
同じエンジンであっても使用するオイルによって性能というものは大きく変化します。Mobil™オイルの場合、どのようなポイントを注視して開発、製造されているのでしょうか。

二人

臼井:Mobil 1™に関して言えば、長年AMGで採用されていたオイルだということがポイントのひとつとして挙げられます。AMGがチューンを施したエンジンのポテンシャルを発揮するためには、オイルにも高い性能が要求されるのです。そもそもMobil 1™は、全世界で同じ製品であれば同じ品質を担保しており、できるだけ幅広い使用環境でも使用可能なことが開発コンセプトとなっています。そのため、欧州の自動車メーカーの承認を多く取得しているのが特徴であると言えるでしょう。例えば、Porscheにおいて新車時に充填されているオイルは全てMobil 1™です。このような特性を持つオイルのため、長年輸入車を販売してきたヤナセさんにとって、Mobil™オイルは特徴を活かして販売していただける存在となっているのです。

大塚:私の所属する外販部門というのはヤナセ以外の整備工場のお客さまが多いので、多種多様な車種が入ってきます。その中で様々な規格に対応しており信頼できるオイルというのが求められます。その中でMobil 1™はもちろんMobil Super™シリーズも幅広く受け入れられています。

二人

臼井:Mobil 1™0W-40がフラグシップ商品になるのですが、どのような条件下においても最高のパフォーマンスを発揮し、MB Approval 229.5(メルセデス・ベンツのオイル基準)というオイル基準もクリアしているので、間違いなく満足していただけるものです。それに対してMobil Super™ 3000 X2 5W-40(YANASE)はMB Approval 229.3という基準を満たしており、高パフォーマンスを発揮しながらも価格を抑えたものとなっており、性能と価格のバランスのとれた商品となっております。先ほども申上げました、Mobil™オイルは全世界で共通の品質を保ち、かつトータルでのバランスを重視して作っております。そもそもエンジンオイルはベースオイルと呼ばれる基油と添加剤から構成されています。その調合のバランスが良いのがMobil™オイルということです。仮に、添加剤を多く使いフリクションロスを軽減することだけに特化したようなオイルなども作ろうと思えば作れます。しかしながら、Mobil™オイルが目指しているのはそういったオイルではありません。ベースオイルや添加剤などのバランスは企業秘密となっていますが、厳しい品質管理のもとバランスの良い高品質な製品を作り続けています。

大塚:ヤナセのメカニックと話をすると、第一印象としてあがってくるのは、いいオイルだということは知っているが、やはり高価だということです。
ただ高いという裏側にはオイル自体の製造コストがかかっていることや高次元での品質管理など、相応の理由があるわけで、まずはその点を知ってもらうことからはじめます。良い車には良いオイルを使ってもらい、最高のパフォーマンスを発揮してもらいたい。これは我々にとってもメカニックにとっても思っていることですし、最終的にユーザーにも満足いただけるものだと思っています。

Page Top