YAS Person | Interview

  • TOP
  • YAS Person
  • 17 EMGルブリカンツ合同会社(後編)
17 EMGルブリカンツ合同会社(後編)

前編では、Mobil™とYASが歩んできた歴史や時代背景、そしてMobil™ならではの高い品質性能について伺った。ここからの後編では、EV化が進む自動車業界においてエンジンオイルとはどのような変化をするのかという未来像、そしてMobil™とYASが協力しあうことで生まれるシナジーの話などを伺っていく。

■オイルの将来をどう考えているか?
メルセデス・ベンツのEQブランドのスタート、BMWはiシリーズを次々と導入するなど、欧州では環境規制の強化もありEV開発が進められています。必然的にエンジンオイルは使われなくなっていくように思えますが、オイルの未来をどうお考えでしょうか。

ヤナセオートシステムズ 大塚 和也

大塚:各メーカーのEV化が進んでいますが、かといって現在販売されている自動車の多くは内燃機関モデルですので、オイルの消費量そのものは急激に減るとは思っていません。長い目で見れば使用量は徐々に少なくなっていくかもしれませんが、消耗品ということもありますし、この先10年、20年はさほど今と変わりないと考えています。
ただオイルの現状で私たちが気にかけているのは、最近では輸入車でも0W-20が使用される自動車が作られてきているなど、粘度に対してとてもシビアな燃費性能が求められているということです。これは環境規制対策などによってギリギリのところでエンジンを作っていることの現れです。

臼井:確かにどこの国でも環境規制が設けられており、燃費の良さが求められている世の中ですので、燃料の消費量は減ってくるとは思っています。一方、トータルで考えた場合の潤滑油の使用量という面においては、ExxonMobil社によると産業用や大型トラック用などへの需要増により、2040年までは消費量が伸び続けるというデータも出ています。現状では様々なメーカーでハイブリッド車が台頭していますが、ハイブリッド車では内燃機関も使われているため、エンジンオイルの需要という面では当面激減することはないと思っています。現にハイブリッド車用のオイルも登場してきているので、そういった面での伸び代もあります。
また、EVでもモーターの冷却用オイル、駆動系のオイルなどが必要となってくるので、次世代に備えた開発も進められています。一方でエンジンオイルの性能に関しては先ほど大塚さんの話にも出ましたが、環境対策の面において、粘度をはじめシビアな性能が求められています。自動車のモデルやグレードによって専用のオイルを使用するようになってきており、オイルの細分化の流れが今後続くと予測されます。この使用オイルの細分化というのは、専用オイルの重要性が高まるという意味においてビジネスチャンスと捉えることができると考えています。

EMGルブリカンツ 臼井 粛郎
EMGルブリカンツ 臼井 粛郎

大塚:昨年登場した新型Aクラスから、メルセデス・ベンツのオイル基準が変わりました。これまでは、ガソリンエンジンオイルとディーゼルエンジンオイルと別々なものだったのですが、それが一元化されたのです。今後メルセデス・ベンツのガソリンエンジン車はこれまでと異なるオイルを使用することになります。

ヤナセオートシステムズ 大塚 和也
EMGルブリカンツ 臼井 粛郎

臼井:メルセデス・ベンツが定めるオイル規格ではMB Approval 229.52と呼ばれるもので、これまではディーゼルエンジンのみに使用されてきましたが、これからはガソリンエンジンでも使われるようになっていきます。このMB Approval 229.52が、今後のエンジンオイルでの主力製品となっていきそうです。このMB Approval 229.52は、Particulate Filter(エンジンの排気ガス中に含まれる粒子物質(すす)を除去するための部品)が装備されている車に推奨される低灰分のオイルで、Filterの目詰まり等のトラブル発生の可能性を低くします。

大塚:既存のガソリンエンジンには、これまでのエンジンオイルを、新しいエンジンには新規格のオイルをと、使い分けなければならないので、現場のメカニックの対応も大変ですし、何よりもユーザーであるお客さまにもそれを理解してもらわなければなりません。

臼井:MB Approval 229.52承認オイルは5W-30と、欧州車向けのエンジンオイルとしては柔らかめの粘度となります。環境対策のこともあり、さらには燃費対策として輸入車向けにも今後0W-20のオイルが増えてくると考えています。そうなると、どのオイルをどれだけ在庫しておけばよいのかという問題が出てくるかもしれませんが、エンジンを保護するためにも、性能を維持するためにも、適合するオイルを是非準備して頂きたいと思います。

二人
二人

■オイル交換の推奨インターバル
環境問題の話にも通じると思いますが、定期的なオイル交換をすることで、燃費やパワーを維持することにもつながると思います。
どの程度の頻度で交換することが望ましいでしょうか。

臼井:一般的には、1年もしくは1万5000kmでのオイル交換です。ほかのブランドも元々自動車メーカーが定めているのは1年に1度の交換というのがほとんどですが、例えば渋滞によく遭遇するような使い方や、極度な暑さや寒さの中を走らせるなどの条件によって定められるシビアコンディションと呼ばれるものがあります。日本はそのシビアコンディションの条件に当てはまりやすいシチュエーションが多いので、気になる方は、比較的短めのインターバルでオイル交換するのも良いでしょう。
半年ごとにオイル交換されている方も多いと思います。

オイル
オイル

大塚:そのような定期的にオイル交換を行っているお客さまから、「安いオイルを頻繁に交換した方がエンジンには良いのではないか」といったことを、よく聞かれるのですが、そんな時に説明するのは、エンジンオイルそのものの性能の話です。例えば安価なオイルでは、エンジン内部のスラッジをすべて除去するのは難しいでしょう。Mobil 1™は清浄分散作用に優れており、エンジン内部にたまるデポジットが少なく、スラッジを分散しエンジンをきれいな状態に保ちます。
オイル交換の大きな目的であるエンジン内を綺麗に保つということにかけてもMobil™オイルは長けているのです。

臼井:ベストなのは、Mobil 1™を毎月交換してもらうことですね(笑)。

オイル
オイル

大塚:だけど冗談ではなく本当にMobil 1™の性能は凄くて、Mobil 1™を使っていたエンジンを分解するととても綺麗なことがわかります。実際にご使用いただいているお客さまからは、“高回転がよく伸びるようになった”、“使用後のオイルが真っ黒い(高い洗浄能力の現れ)”、という感想を聞いたことがあります。Mobil 1™の性能は体感できるものなので、是非多くの方に使用してもらいたいですね。

■YASとMobil™の今後
これまでにもタッグを組んでイベントなどを行ってきましたが、今後予定されていることなどはあるのでしょうか。

オイル
オイル

大塚:今ちょうど、「Mobil™チャレンジ25000」キャンペーン(※)がスタートしたところです。これはYAS全体で2万5000リットルのモービル販売を目指すもので、整備工場さんなどに多く売っていただくために行っているものです。
乗用車一台当たり、おおよそのエンジンオイル使用量は7~8リットルというところでしょう。8リットルで計算しても、3125台のオイル交換をしなければなりません。
※対談時点(2019/7/9)はキャンペーン中。結果的には目標を大幅に上回り終了した。

二人

臼井:整備工場などでは、他メーカーのオイルも並行して使用されていることも多いので、そういった場合の後押しができるよう今後もサポートさせていただきます。

大塚:整備工場にはメルセデス・ベンツだけでなく国産車・輸入車問わず色々な自動車が入庫されます。ほかのオイルブランドも様々な規格の認証を受けてきていますし、それぞれのメリットを勉強しながら、Mobil™オイルを適所に推奨していかなくてはなりません。
その中で今後ともMobil™とのタッグは大切なものとして考えています。

オイル
オイル
オイル
Page Top