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02 最先端の修理技術―メカニックたちのこだわり

各メーカーで異なる、アルミの含有率。
その違いを判断できるのは認定工場だから。

石田:メーカーにより、ボディに使用しているアルミの含有率は異なります。その点、我々は認定工場なので情報がメーカー側から提供されます。アウディの場合は、交換するパネルにアルミニウムの素材の化学式が入っているので、それを頼りに合うワイヤーを使ったり。たとえパネルの表示がない場合でも、メーカーの作業マニュアルや指示書があるので、それをもとに確実に作業できます。それをもらえるか、もらえないかが認定工場とそうでないところの差ですね。認定工場でないと、手に入らないデータです。
一概に、アルミの車だし、アルミ溶接の資格を持っているから大丈夫。ではなく、個々のブランドや車種によってやり方が違い、本当に複雑な作業となっているのです。

アウディの認定証書
アウディの認定証書
アルミ溶接フューム集塵・集煙装置
アルミ溶接フューム集塵・集煙装置

伊藤:あと、大切なのはアルミの危険性への認識。アルミは削ること自体が危険なので、どうしても必要なときだけの作業となりますが、この粉塵が人体に良くないのです。だから、集塵機は必ずつけて作業しなければならない。爆発の危険性もあると、ドイツ研修ではスライドを見てレクチャーを受けました。

石田:研修では、粉塵爆発を起こした工場の写真なども見ました。かなりの威力の爆発です。設備の大切さもありましたが、それだけでなく、メカニック一人一人が危険性に対する意識を持たないとだめだと実感しました。現在アルミ認定工場で直すべきとされている車種は少ないけれど、A4やA6の側面など、外から見えない内側にアルミが使われていたりもするので、お客様や販売店ではボディ修理が必要な場合は慎重な判断力が必要です。どこでも直せる修理ではありませんしね。お客様には安全な車に乗って頂きたいですね。

倉又:しかも、同じ車種でも日々やり方が変わったり、新しいツールを使ったりするようになるので、常にアンテナをはって情報を入手できるようにしておかないと、乗り遅れてしまいますね。

アウディ認定アルミ溶接メカニック 倉又昌之
アウディ認定アルミ溶接メカニック 倉又昌之

石田:ボディにフルアルミを使っているのは、現在のところアウディA8やメルセデス・ベンツのSLなどですが、アルミの扱いだけではなく私たちはアウディやメルセデス・ベンツの全ての車種を修理できる知識と技術を持っているので、修理前の元々の状態に戻ると思っていただきたいです。こうした技術と知識をしっかり身につけ、認定されるということは、アウディやメルセデス・ベンツのオーナー様も安心して修理に出していただけるのではないでしょうか。

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